『生活考察』編集日記

辻本力。ライター・編集者。『生活考察』編集人。お仕事の依頼は chikarat79@gmail.com まで。

渋さ@由比ヶ浜

友人らと渋さ知らズオーケストラのライブを観に由比ヶ浜へ行く。


2時過ぎ着(江ノ電の先頭に乗って、子供のようにはしゃぐ)。
開演は3時半。
天気が心配であったが、見事に晴天。
スコンと空は抜け、上空に見える飛行機がなんだかウソっぽいというか、ミニチュアみたいに見える。
基本的に海にはまったくといっていいほど縁の無い私だが、えらく久しぶりに来てみて、すごく気持ち良いものなのだなぁと思うのだった(この歳になって気付くとは)。
それにしても、由比ヶ浜はなんというか品のよい海だ。
客層も落ち着いた感じだし、とても居心地がよい。


会場の隣はバーになっていて(もちろん屋外)、開演前・休憩中・終演後は飲み食いができる(ライブ客以外ももちろん利用できる)。
そして、休憩はなんと一時間も!
「海渋」というだけに、海を見ながらのんびりと飲む時間も込みで一つのライブ、という趣旨なのであろう。
私らも、夏の定番枝豆でビールを飲みつつ、ぼけーっとする。
しかし、このバー、至りにつくせりであった。
ポール・ダンスやカウンター・ダンス(って名称が正しいのかどうかは知らない)まで観ることができるのだ。


渋さの演奏が素晴らしかったのは言わずもがな(最近一番よく観に行っているライブは渋さかもしれん)。
ロケーションも含め、たいへん楽しいライブであった。
そういえば、最近渋さのライブを観ていて、リーダー以外、つまり会場にいるメンバーや観客はすべて、その中間に位置するリーダーが見ている幻で……などと想像をたくましくしている(おそらく、リーダーの佇まいと、狂乱的なテンション、そしてあの唯一無二の音がもたらすトリップ感に由来する)。
演奏者が霞み、観客が霞み、音もフェードアウトしていく……そしてただ一人、指揮を続ける男の後姿だけが残る。
そんな映画の一コマのような妄想から我に返った耳に、再び、「あの」音が飛び込んでくる。


ひとつだけ残念だったこと。
終了後、鎌倉駅に戻ったら人身事故でJRが止まっていたため藤沢を経由せねばならず、中華街で夕飯を食べようと思っていたのだが果たせず。
嗚呼、空心菜の炒め物、水餃子……。