『生活考察』編集日記

辻本力。ライター・編集者。『生活考察』編集人。お仕事の依頼は chikarat79@gmail.com まで。

あらためまして、「生活考察」とは?

約4年ぶりに再開することになる「生活考察」。
編集発行人である私・辻本が、そもそもどんなことを考えてこの雑誌を作ったのかーーは、創刊号(2010年)のまえがきに書きました。
今回のリスタートにあたり同文を読み返してみたところ、(懐かしくはありましたが)「俺、ぜんぜん成長してないんじゃないか?」と呆れてしまうくらい、そのまんま今の気分なので驚きました(苦笑)。
というわけで、「生活考察」とはこういうコンセプトの雑誌です、ということをあらてめてお伝えするため、ここにその全文を転載します。
もし賛同していただけるようでしたら、広告の協賛や応援プランなどもご用意しておりますので、ご検討のほど、何卒よろしくお願いいたします。


詳しくは、以下のURLをご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/fiddle-stick/20180729


それでは、生活について考えましょうか。(「生活考察」Vol.01より)


「生活考察」という、その愚直なネーミングからもお察しいただけるように、本誌は、<生活>について考えることをテーマにしています。よって、“ある種の”ライフスタイル・マガジンではあります。
 しかしながら、いわゆる定石の「理想の生活」「ワンランク上の生活」及び「理想の生活を実現するためのアイテム」等にとりわけ重きを置きません(もっとも、「より良い生活の追求」は「生活について考えること」にそもそも内包されているとも言えるわけですが)。かつ雑誌をあげて提案する「スタイル」もとくに持ち合わせておりません。むしろハナから「スタイルの提案」を放棄し、積極的に多様なスタイルにまみれてみることーーそこから生活を考察していきたいと考えております。
 そんな雑誌なものですから、生活において「即役に立つ」類の情報には乏しいかもしれません。しかし、実用的な情報とかとはまた違った意味で「役に立つ」、それもいいじゃないかと。
 ともすれば、あっさりと取りこぼしてしまう、ささやかな生活の断片。そして、そこから導き出される、「考えようによっては得るところがある」かもしれぬ<何か>ーーそんな中にこそ、現代を“楽しく”サヴァイヴするための術・発想・考え方が潜んでいるように思えるのです。つまり、生活が孕む/生活から立ち上がる<想像力>を、衣・食・住と同等に重要な要素として捉え直すこと、そして、その想像力をもって私たちの生活を照射してみること、それがこの雑誌において試みようとしていることかもしれません。
 はっきり言って、生活していくことは楽ではありません。私も、現在仕事を辞め、こうして生活をテーマに雑誌などつくりはじめたわけですが、そのくせ、自身の生活はすでに破綻しかかっている始末……(註:創刊当時は、仕事を辞め、20代後半にして初の上京をしたばかりということもあり、今以上に不安定かつ先行きの見えない時期でした。ちなみに創刊号は、失業保険をブチ込んで作りました。今考えると無謀極まりないです……)。しかし、少々自嘲気味になることはあれ、そう悲観的にはなっておりません。なにせ私たちは、生活にかまけ、とらわれながらも、それを楽しみ、なんならときに逃避したり、あるいは飛躍したりする想像力を有す生き物なのですから。それに、生きていかねばならない以上、なんとか生きていくしかないわけで、だったらせめて「生活、面白いですよ」と言いたいわけです。そのために考えうることは、まだまだ残されているんじゃないかと。
 というわけで、どうにもまとまらぬご挨拶になってしまいましたが、兎にも角にも、はじめてみたいと思います。お楽しみいただければ幸いです。


「生活考察」編集発行人・辻本力

SPA書評:漫画版『夫のちんぽが入らない』

<本日発売>

「週刊SPA!」9月18日・25日合併号に、原作:こだま、漫画:ゴトウユキコ『夫のちんぽが入らない』(講談社)の書評を書きました。


https://www.fusosha.co.jp/magazines/detail/4910234540981




身体で繋がることのできない絶望と、それを乗り越えて歩み出そうとする夫婦の姿を、妻の側から描いた話題の私小説の漫画版です。
原作をリスペクトしつつ、漫画ならではの「ちんぽ」を追求した意欲作です。


また、このタイミングで原作も文庫化されるので(9/14、講談社刊)、未読の方はぜひ〜。



SPA!(スパ!) 2018年 9/25 号 [雑誌]

SPA!(スパ!) 2018年 9/25 号 [雑誌]

※文庫版のリンクがうまく貼れないので諦めましたが、アマゾンで予約可。
https://amzn.to/2Qf7HSp

イベント終了、お礼

8月26日に開催しましたトークイベント、生活考察 presents「僕らは大人になれたのか? これからの“成熟”考」(春日武彦さん×穂村弘さん×海猫沢めろんさん×司会:辻本力)、おかげさまで大盛況のうちに終了しました。


ご来場いただいた皆さま、登壇者の皆さま、会場の荻窪ベルベットサンさま、スタッフの皆さま、誠にありがとうございました。
むちゃくちゃ楽しかったです。


以下、当日の写真をちょこっと公開します(撮影は友人のYuta Ohashiさん)。
皆さん、超いい笑顔(笑)。


なお、この日の模様は、秋発売の「生活考察」Vol.06に収録予定です。
そちらもお楽しみに!




トークイベント告知:春日武彦×穂村弘×海猫沢めろん

久々にトークイベントを開催します。
ご来場を心よりお待ちしております。

生活考察 presents「僕らは大人になれたのか? これからの“成熟”考」
春日武彦精神科医)×穂村弘歌人)×海猫沢めろん(小説家)×司会:辻本力(生活考察)


日時:2018年8月26日(日) 17:00開演(16:30開場)
料金:2,000円(drink注文自由)
会場:荻窪ベルベットサン http://www.velvetsun.jp
予約:http://www.velvetsun.jp/new-events/2018/8/26/826-presents
※あまり大きな会場ではないので、事前にご予約いただければ幸いです。


生き方が多様化する現在、「大人」の在り方も、今と昔とでは様変わりしているように感じられます。
「結婚」「子育て」のようなライフステージも、あるいは、かつて成長と共に「克服すべし」と言われてきた事柄も、すでに絶対ではありません。
そのことで私たちは、これまでにない自由を得ましたが、同時に、明快なモデルの不在からくる「迷い」を抱えつつあるようにも思えます。
今の時代に「大人になる」「成熟する」とは、果たしてどういうことなのでしょうか?


本イベントでは、近著『鬱屈精神科医、占いにすがる』『鬱屈精神科医、お祓いを試みる』で絶賛人生回顧中の精神科医春日武彦さん、エッセイ集『現実入門』などで、社会的に「当たり前」とされている事象に対する違和感や苦手意識を綴られてきた歌人穂村弘さん、自身の育児経験を踏まえて書かれた新時代のイクメン小説『キッズファイヤー・ドットコム』が話題の海猫沢めろんさんのお三方に、現代における「大人像」について、たっぷりお話いただきます。


<プロフィール>
春日武彦(かすが・たけひこ)
1951年、京都府出身。医学博士。日本医科大学卒。著書に『無意味なものと不気味なもの』(文藝春秋)、『鬱屈精神科医、お祓いを試みる』(太田出版)、『精神科医は腹の底で何を考えているか』(幻冬舎)など。


穂村弘(ほむら・ひろし)
1962年、北海道出身。歌人。90年、歌集『シンジケート』(沖積舎)でデビュー。その後、短歌を中心に幅広い分野で活躍。『鳥肌が』で17年度の講談社エッセイ賞を受賞。最新作は、17年ぶりとなる歌集『水中翼船炎上中』(講談社)。


海猫沢めろんうみねこざわ・めろん
1975年、大阪府出身。小説家。『全滅脳フューチャー!!!』(太田出版)、『ニコニコ時給800円』(集英社)など著書多数。最新作『キッズファイヤー・ドットコム』(講談社)で第59回熊日文学賞受賞。


辻本力(つじもと・ちから)
1979年、茨城県出身。『生活考察』編集発行人。ライター、編集者。文化施設水戸芸術館」(機関誌『WALK』責任編集など)を経て、現在フリー。文芸・カルチャー・ビジネス系の媒体を中心にいろいろと執筆。


<生活考察とは>
2010年創刊。「生活と想像力」をめぐる、ちょっと脱臼気味のライフスタイル・マガジン。長きにわたって休刊状態にありましたが、今秋「タバブックス」を版元に復活予定。
公式ブログ:http://d.hatena.ne.jp/fiddle-stick/

「源妙寺」住職・渡邊源昇インタビュー(プレジデントオンライン)

「プレジデントオンライン」で、28歳で寺を開いた僧侶として話題の渡邊源昇さん(埼玉県越谷市「源妙寺」住職)にインタビューしました。


埼玉でゼロからお寺を始めた31歳の収入



ビジネス媒体ということもあって、お坊さんとお金の話という、ちょっとレアな内容になっています。
ご著書『お寺はじめました』(原書房)とあわせて、お読みいただければ幸いです。

『文學界』対談:柴崎友香×濱口竜介

<発売中>

文學界」(文藝春秋)9月号・特集「日本映画、ふたたび世界へ」で、柴崎友香さんと濱口竜介監督の対談「小説から映画へ──創造の秘密を語る」の構成を担当しています。


http://www.bunshun.co.jp/mag/bungakukai/index.htm



テーマはもちろん、9/1公開の映画『寝ても覚めてもについて。
15ページにわたって、たっぷりとお話を伺いました。


小説における「視覚的な表現」と、実際の映像表現との違いなど、小説と映画との差異をさまざまな角度から考える、ひじょうに面白い対談になっていると思います。
映画と共に、ご一読いただければ幸いです。


文學界2018年9月号

文學界2018年9月号

ハッピーアワー [Blu-ray]

ハッピーアワー [Blu-ray]

田中潤氏インタビュー連載「Aiの視座」スタート

新webメディア「ReVie.media」で始まった、AI開発者・田中潤さんのインタビュー連載「Aiの視座」の聞き手・構成を担当しています。



内容は、「AIを始めとする新たなテクノロジーと未来」みたいな感じで、ビジネスから恋愛、幸福論まで、さまざまな領域を行き来します。
現在、第3回までが公開となっています(毎週火曜更新)。


第1回 ブロックチェーンが個人の権限を拡張する


第2回 ブロックチェーンと脱・消費資本主義への道


第3回 ブロックチェーンと、これからの「信用」


田中さんには、たまたま「SPA!」の取材で伺ったのが最初で、その後「サイゾー」の対談に出てもらったりと急に付き合いが増えた感じなのですが、まさか連載に声をかけていただけるとは思ってもみませんでした(笑)。


ご一読いただければ幸いです。