積読していた竹熊健太郎・著『篦棒な人々ー戦後サブカルチャー偉人伝』(河出文庫)を読む。
いやはやもの凄く面白い、一気読み。
大傑作なり。
基本はインタビュー集(初期の『クイック・ジャパン』に掲載)だが、特筆すべきはその対象のチョイス。
康芳夫(マルチプロデューサー、虚業家)、石原豪人(挿絵画家、画怪人)、川内康範(月光仮面原作者、生涯助ッ人)、糸井貫二(全裸の超・前衛芸術家)という謎多き大物ばかり。
インタビュアーのアプローチは、どこまでも対象に誠実であり、またそれが読み手にも伝わってくる。
そして、爆笑必至のトンデモ話から浮かび上がってくるのは、「昭和」という時代だ。
冒頭の康芳夫からぐいぐいと引き込まれる。
モハメド・アリの招聘、「ネッシー捕獲探検隊」、「オリバーくん」といった有名どころ以外にも、ロス疑惑の三浦和義に『週刊プレイボーイ』誌上で人生相談させるわ、オウムの麻原も「昔オレのところ通ってたんだよね」だもの。
そして、最後の糸井貫二のも傑作。
絶対に取材を受けない超前衛芸術家・糸井を知る人物へのインタビュー〜文通〜インタビューへと至るドラマが秀逸。
思わず目頭が熱くなる。
興奮している。
騙されたと思って、とにかく一読を!
篦棒な人々ー戦後サブカルチャー偉人伝 (河出文庫 た 24-1)
- 作者: 竹熊健太郎
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2007/12/04
- メディア: 文庫
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