『生活考察』編集日記

辻本力。ライター・編集者。『生活考察』編集人。お仕事の依頼は chikarat79@gmail.com まで。

インタビュー:森山裕之(スタンド・ブックス)&レビュー:『アグリー・デリシャス』(Netflix)

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「CINRA.JOB」でのインタビュー連載「その仕事、やめる?やめない?」、第5回がアップされました。

今回ご登場いただいたのは、元『Ouick Japan』編集長、現「スタンド・ブックス」代表&「QJWeb」編集長の森山裕之さんです。

job.cinra.net

 

働く場を変えながら20年以上にわたり編集の仕事を続けてこられた森山さんに、大手企業から個人事業まで、会社の規模にこだわらず、自由に「やりたいこと」を追求する秘訣や原動力を伺いました。

なお、この記事、私の初のオンライン取材でした。

 

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今見ておくべきNetflix作品をレビューする「telling,」の「熱烈鑑賞Netflix」で、食ドキュメンタリー『アグリー・デリシャス: 極上の”食”物語』について書きました。

telling.asahi.com

 

「エキレビ!」でお世話になっていた名編集者アライユキコさんが編集を担当。私は今回初参戦、以降月一で書かせていただきます。

ちょっと前にセカンドシーズンが配信開始になった「アグリー・デリシャス」は、私が「ネトフリに入ってよかった!」と心から思った作品の一つで、いつか何か書いてみたいとずっと思ってたでした。

なので、このような機会をいただけて本当にありがたかったです。

 

あわせてご一読いただけましたら幸いです。

よろしくお願いします。

書評:村井理子『兄の終い』@SPA!

<本日発売>

「週刊SPA!」 5月26日号に、村井理子『兄の終い』(CCCメディアハウス)の書評を書きました。

 

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www.fusosha.co.jp

 

疎遠になっていた兄の突然の訃報。

長年避け続けてきた「憎かった兄」の人生を終いにするための5日間の旅を綴った本エッセイ、病気で働けなくなった兄、脳出血による突然死、汚れの積もったアパート、残された子ども……と陰鬱になりそうな要素てんこ盛りなのに、この清々しい読後感は流石。

私もいまだどこかフラフラし続けている中年の兄なので、なんかいろんな意味で胸が苦しくなったり……。

 

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書評:本間文子著、チェーホフ原作『桜の園』(光文社)

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書評サイト「ブックバン」に、本間文子著、チェーホフ原作『桜の園』(光文社)の書評を書きました。

 

www.bookbang.jp

 

言わずと知れた劇作家チェーホフの代表作を、作家の本間文子さんが小説化したのが本作。

戯曲は、普通に読むのはなかなか手ごわいものですが、この試みの面白いのは、小説にすることで、行間に隠れているドラマや関係性が鮮やかに表れてくるところ。

で、これって、つまりは新たに舞台を1つ作ることと一緒だよな、と思って、そういうことを書きました。

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余談ですが、著者の本間さんとは、かつてある職場(食えない時代に派遣で働いていた会社)で短期間ご一緒したことがあって、部署も違うし特に接点はなかったのですが、なんか面白そうな人だなーと思ってたら、ある日休憩所でお話しする機会があって、その時に昔雑誌「リトルモア」がやっていた「ストリートノベル大賞」(私の作っている雑誌「生活考察」でも連載してくださっている福永信さんが第1回受賞者)の最後の大賞受賞者であることが判明、「おお!」となったのでした。あれからだいぶ経ちましたが、まさかこんな形で関わる機会が来るとは、いろいろと感慨深いです。

チェーホフの戯曲をすでに読んでいる方も、これからチェーホフに触れてみようと思っている方も、それぞれ面白く、興味深く読める作品だと思います。

書評を読んで気になった方は、ぜひお手に取ってみてください。

 

「仕事文脈」vol.16 特集「東京モヤモヤ2020」

<発売中>

編集と執筆で参加している「仕事文脈」(タバブックス)最新号、vol.16が発売になりました。

 

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tababooks.com

 

今回の特集は「東京モヤモヤ2020」。

例のイベントの開催で特別なものとされていた「2020年の東京」。

しかし、新型コロナウイルスによって延期が決定、いまだ先の見えない状況が続いています。

「日本の中心(ということになっている)東京」を問い直すには今しかないだろ、ということで始めた企画でしたが、あれよあれよという間に世の中が一変してしまい、「どうなるんだ、この特集……」という感じでしたが、結果的に続行してよかったなと思っています。

 

とはいえ、いろいろありました。

「東京にモヤモヤする」ということが前提になっている特集なわけですが、僕は基本的には東京が好きなので、編集会議でも編集長の宮川さんと微妙に意見が合わないことも。

東京に対してモヤモヤしまくってると言う彼女に対して、「えー、でもそれは宮川さんが東京出身者だからじゃないですか?」と、地方出身者である私は反論したりしてたのですが、「『東京生まれ・東京育ち』のモヤモヤ」(竹花帯子×前みづえ×宮川真紀)という座談会の聞き手・構成をやったことで、なるほどなーと腑に落ちると共に、いろいろ考えさせられた次第。

 

でも、とはいえ自分としては全然「東京に疲れた」とか思ったことがないので、そのことについては正直に「東京最高?」というエッセイに書きました。ただ、「?」とあるように、それは私の選択や状況とかが大きく関係していているため、手放しに「東京いいよねー」ということではない、ということも書いています。

 

また今回も友人知人の皆さんに「東京のモヤモヤするところ調査」というアンケート企画にご協力いただいてます。

ありんこさん、富井雄太郎さん(株式会社ミルグラフ)、鹿角優邦さん、中崎透さん(Nadegata Instant Party)、KURUMIさん、北條一浩さん、ありがとうございました。

 

あと、連載「『聞く』という仕事」の第3回も書きました。インタビュー仕事における「質問」について考える回です(なお、この話題はもうちょっと続きそうです)。

 

書店、アマゾン、タバブックスのネットストア等で好評発売中です。すごくタイムリーな特集だと思うので、ぜひ読んでみてください。よろしくお願いします。

 

仕事文脈 vol.16
定価  本体700円+税 
A5 判・96ページ 
ISBN978-4-907053-42-0
2020年5月12日発売
装丁 永井ミキジ
装画 makomo

 

特集:東京モヤモヤ2020

2020とセットになって特別なものにされていた東京
ところがだれも予期しなかった事態によって、一変した
東京はなんでもそろっていた、食べていけるのはここだけだった、
ここはこの国の中心だった、本当に?
危機に陥ったなかであらためて考える、東京と仕事とくらしのいろいろ

◎特集
私が違法外国人労働者だったころ 大原扁理
東京という錯覚 高松夕佳
続・東京サバイバル マクロビと狩猟と店と 竹林久仁子
東京最高? 辻本力
場所や仕組みに依存しないで遊ぶ ヤマザキOKコンピュータ
東京のモヤモヤするところ調査
インタビュー・「オリンピックの東京」から脱出したかった理由 
インタビュー・新国立競技場の目の前ではたらく人
座談会「東京生まれ・東京育ち」のモヤモヤ 竹花帯子×前みづえ×宮川真紀
小説・東京より速く遠く 兼桝綾
トークイベント・東京にモヤモヤしない田舎の未来とカルチャー

◎連載
文脈本屋さん・13 REBELBOOKS
仕事回文・12 杉野あずさ・みりんとおさとう
upić się warto・5 家を引っ越すこと、国を移ること 浪花朱音
虹色眼鏡・8 一緒にいよう(寄り添い合って)〜オキナワから東京へ愛を込めて〜 チサ/さようならアーティスト
さわる社会学・6 ほとんどすべて女にとっての経験  堅田香緒里
「聞く」という仕事・3 質問と「流れ」 辻本力
無職の父と田舎の未来・16 小さなメディアがもたらす本当の価値と、モヤモヤを重ねた先の道について さのかずや
35歳のハローワーク・6 番外編 キャリアカウンセラーに聞くジョブチェンジのヒント 太田明日香
仕事文脈コラム 禍の靄のなかで  宮川真紀

 

連載「馴染みの店の、馴染みじゃないメニュー」第5回「ラーメン屋のハンバーグ弁当」

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タバブックスのnoteでやっている連載「馴染みの店の、馴染みじゃないメニュー」第5回がアップされました。

note.com

今回はこんなご時世なので、テイクアウトメニュー「ラーメン屋のハンバーグ弁当」で書いてみました。

無料ですので、ぜひご一読ください〜。

 

 

書評:藤野可織『ピエタとトランジ〈完全版〉』@SPA!

<本日発売>

『週刊SPA!』4月21日号に、藤野可織さんの最新刊『ピエタとトランジ〈完全版〉』(講談社)の書評を書きました。

 

紙幅が足りず、いろいろ言い切れてませんが、コロナ渦中の現在ともリンクする傑作です。

元になった短編(『おはなしして子ちゃん』収録)も最後に収録されていますが、本編のエンディングとの響き合い方が素晴らしくて、涙腺ゆるみました。

 

www.fusosha.co.jp

 

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古井由吉追悼対談:島田雅彦×松浦寿輝@文學界5月号

<本日発売>

文學界』(文藝春秋)5月号「追悼・古井由吉」特集で、島田雅彦さんと松浦寿輝さんの対談「他界より眺めてあらば」の構成を担当しました。

 

www.bunshun.co.jp

 

個人を偲びつつ、戦争体験、「雅」と「俗」の同居、アメリカの欠落、定点観測、物語からの逸脱……等々、さまざまな視点から古井文学の核心に迫る対談です

 

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