『生活考察』編集日記

辻本力。ライター・編集者。『生活考察』編集人。お仕事の依頼は chikarat79@gmail.com まで。

「仕事文脈」vol.16 特集「東京モヤモヤ2020」

<発売中>

編集と執筆で参加している「仕事文脈」(タバブックス)最新号、vol.16が発売になりました。

 

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tababooks.com

 

今回の特集は「東京モヤモヤ2020」。

例のイベントの開催で特別なものとされていた「2020年の東京」。

しかし、新型コロナウイルスによって延期が決定、いまだ先の見えない状況が続いています。

「日本の中心(ということになっている)東京」を問い直すには今しかないだろ、ということで始めた企画でしたが、あれよあれよという間に世の中が一変してしまい、「どうなるんだ、この特集……」という感じでしたが、結果的に続行してよかったなと思っています。

 

とはいえ、いろいろありました。

「東京にモヤモヤする」ということが前提になっている特集なわけですが、僕は基本的には東京が好きなので、編集会議でも編集長の宮川さんと微妙に意見が合わないことも。

東京に対してモヤモヤしまくってると言う彼女に対して、「えー、でもそれは宮川さんが東京出身者だからじゃないですか?」と、地方出身者である私は反論したりしてたのですが、「『東京生まれ・東京育ち』のモヤモヤ」(竹花帯子×前みづえ×宮川真紀)という座談会の聞き手・構成をやったことで、なるほどなーと腑に落ちると共に、いろいろ考えさせられた次第。

 

でも、とはいえ自分としては全然「東京に疲れた」とか思ったことがないので、そのことについては正直に「東京最高?」というエッセイに書きました。ただ、「?」とあるように、それは私の選択や状況とかが大きく関係していているため、手放しに「東京いいよねー」ということではない、ということも書いています。

 

また今回も友人知人の皆さんに「東京のモヤモヤするところ調査」というアンケート企画にご協力いただいてます。

ありんこさん、富井雄太郎さん(株式会社ミルグラフ)、鹿角優邦さん、中崎透さん(Nadegata Instant Party)、KURUMIさん、北條一浩さん、ありがとうございました。

 

あと、連載「『聞く』という仕事」の第3回も書きました。インタビュー仕事における「質問」について考える回です(なお、この話題はもうちょっと続きそうです)。

 

書店、アマゾン、タバブックスのネットストア等で好評発売中です。すごくタイムリーな特集だと思うので、ぜひ読んでみてください。よろしくお願いします。

 

仕事文脈 vol.16
定価  本体700円+税 
A5 判・96ページ 
ISBN978-4-907053-42-0
2020年5月12日発売
装丁 永井ミキジ
装画 makomo

 

特集:東京モヤモヤ2020

2020とセットになって特別なものにされていた東京
ところがだれも予期しなかった事態によって、一変した
東京はなんでもそろっていた、食べていけるのはここだけだった、
ここはこの国の中心だった、本当に?
危機に陥ったなかであらためて考える、東京と仕事とくらしのいろいろ

◎特集
私が違法外国人労働者だったころ 大原扁理
東京という錯覚 高松夕佳
続・東京サバイバル マクロビと狩猟と店と 竹林久仁子
東京最高? 辻本力
場所や仕組みに依存しないで遊ぶ ヤマザキOKコンピュータ
東京のモヤモヤするところ調査
インタビュー・「オリンピックの東京」から脱出したかった理由 
インタビュー・新国立競技場の目の前ではたらく人
座談会「東京生まれ・東京育ち」のモヤモヤ 竹花帯子×前みづえ×宮川真紀
小説・東京より速く遠く 兼桝綾
トークイベント・東京にモヤモヤしない田舎の未来とカルチャー

◎連載
文脈本屋さん・13 REBELBOOKS
仕事回文・12 杉野あずさ・みりんとおさとう
upić się warto・5 家を引っ越すこと、国を移ること 浪花朱音
虹色眼鏡・8 一緒にいよう(寄り添い合って)〜オキナワから東京へ愛を込めて〜 チサ/さようならアーティスト
さわる社会学・6 ほとんどすべて女にとっての経験  堅田香緒里
「聞く」という仕事・3 質問と「流れ」 辻本力
無職の父と田舎の未来・16 小さなメディアがもたらす本当の価値と、モヤモヤを重ねた先の道について さのかずや
35歳のハローワーク・6 番外編 キャリアカウンセラーに聞くジョブチェンジのヒント 太田明日香
仕事文脈コラム 禍の靄のなかで  宮川真紀