『生活考察』編集日記

辻本力。ライター・編集者。『生活考察』編集人。お仕事の依頼は chikarat79@gmail.com まで。

本の雑誌増刊『おすすめ文庫王国2015』

<本日発売>
本の雑誌増刊『おすすめ文庫王国2015』、「偏愛ベストテン」コーナーに寄稿しました。



ちくま文庫品切本の10冊/復刊希望!ちくまオモシロ文庫」というタイトルのもと、偏愛ちくま文庫(でも品切)を10冊選んでいます。
しかし、こういう企画はホント、自分の興味や趣味がモロに出るというか…あらためて見本誌を見て笑ってしまいました。
ざっくり傾向を言えば、酒・食・犯罪・恐怖といったところでしょうか。
…偏ってるなー、でもまあ「偏愛」なので(笑)。


他にも、『本の雑誌』が選ぶ今年の文庫ベストテン、小説家・小路幸也のオールタイムベスト、さまざまな選者がジャンル別に2014年ベスト10を選ぶコーナーなど、読みどころたっぷりです。
あ、あと、いろいろ考えさせられたというか、「うーん…」と思いながら読んだのが、三省堂書店神保町本店と丸善お茶の水店による「文庫年間売上げBest100」コーナー。
ランクインしているガイブンがサリンジャーの『フラニーとズーイ』のみ、さらに書店員の方々曰く、

池井戸潤百田尚樹東野圭吾しか売れない。」


「これらの作家の作品は初めからたくさん入ってくるんですけど、他の本はなかなか入ってこない。売ろうと思うと出版社に「在庫ないです」って言われちゃう。」


「倍は売れるんじゃないかって本が、品切れ重版未定…。本がないなら売れないです。」

というのは、やはり悲しい。
売れなきゃ本は作れないし、かといってこういう状況は構造の問題だったりもするし、消費者としてできることは……うーん、悩ましい。


と、ややうなだれてきてしまいましたが、いろいろ考えさせられる本の雑誌増刊『おすすめ文庫王国2015』、面白いので、ぜひ!